今回の舞台は、茨城県日立市。その名を聞くと、世界的な総合電機メーカー日立製作所が思い浮かびます。
今回の目的地「TSUBAKI CAFÉ(以下TSUBAKI)」は身も心も癒されたい人たちがふっとひき寄せられる、青く広い海を望む公園沿いにあります。
麻布のエプロンを身に着けて、店内のオープンキッチンで腕を振るうのは、助川ひろ子さん。
店長以外にも、同店で開催するリマクッキングスクール(日立校)の講師、玄米の研究をする大学院生としての顔も持つバイタリティ溢れる女性です。
そんな助川さんが作るマクロビオティック料理と、天然素材で建てられた「無添加住宅」が魅力のTSUBAKI。
一歩足を踏み入れると、外観から続く「白」を基調としながら、どこかもう一つの実家にいるような空間が広がります。
中に入り、座って靴を脱ぐとき正面に見えるのは、自家製ケーキとJAS認定を受けた自慢の生豆です。
その奥には、焙煎用のジェットロースターが。
最初に案内されるのは、掘りこたつのある小上がりの部屋です。
目線の高さに見える白壁をさわってみると、それが職人さんの手仕事が活きる漆喰だと、からだで知ることができます。
それでは、2階へ上がって、宿泊部屋へ入ってみましょう。
ベッドにもなる大きなソファーに腰掛けて、壁一面に広がる大きな窓から外を見ると、日立灯台の灯りが、目の前に広がる太平洋を照らしています。
「夜になると、波の音しか聞こえない静かな場所。水平線に昇る朝日、月明かりに光る海、苫小牧と大洗を往復する『かめりあ号』も見られます」、と助川さんは話します。
階段を下りて1階へ行き、さっきの堀こたつの部屋で食事を待ちます。
最初は気が付かなかったけど、テーブルの真ん中に、何やら取り外せそうな板が…。
1枚1枚外してみると、そこに顔を見せたのは囲炉裏でした。
そこに鉄器のヤカン、木箱に入った炭も用意してもらって、
冬場なら、ここで火を焚いてお餅などを焼いたらおいしそう。
気の合う仲間や家族と囲み、悩みや夢、普段は飲み込んじゃう言葉を出してみたら、それだけでも心のつかえが取れて前向きになれる。
この空間は、そんな旅人たちのための場所です。
オープンキッチンから堀こたつの部屋まで、1階は仕切りのない空間。
助川さんが料理の腕をふるう姿が見えて、2階のお部屋まで漂う、大豆ミートの唐揚げを焼く香ばしい匂いや、石焼お椀に入ったマクロビ流トマトラーメンのスープの香りは
東京から約2時間の小旅行を経て、お腹を空かせた旅人たちに「心からのごちそうの時間」を知らせてくれます。
さあ、お待ちかねのお食事タイム。
3日間寝かした玄米をいつもより少し多く噛んでみて、飲み物には自家製の黒煎り玄米茶をどうぞ。
料理の作り方や玄米の炊き方に興味を持ったら、助川さんに直接聞くことができるのも、この旅ならではの特典です。
実は、バスタイムもおすすめなんです。大理石の浴室にある純白のバスタブは半身浴専用。
ブラックソルトを使っての半身浴をぜひ試してみてください。
入浴する度に、お湯を入れ替えるひと手間もあって、からだを芯から癒してくれます。
そして、湯上りのからだを、オーガニックコットンのタオルと寝具たちが優しく包み込んでくれます。
きっと自然に今日という日に感謝し、満たされた気持ちで眠りにつくことができるでしょう。
お店の未来について伺うと「マクロビを実践する人や興味のある人達に、ぜひこの場所を活用して欲しい」と
マクロビ実践者が安心して集って楽しむことを応援したい気持ちを話されました。
とある週末この場所で過ごした人たちがより健康や癒しに興味を抱き、宿泊を通じたつながりから、
新しいTSUBAKIが誕生する日が訪れるかもしれませんね。