【第1回ツアーレポート】群馬・マクロビオティック和道編(4)

群馬の朝は寒いです。起床したのは7時頃。そこから顔を洗い、身の回りを整理していきます。
布団をたたみ、テーブルを出し、朝食を頂く準備を整えます。

そうこうしている内に身体は若干暖かくなり、透き通った朝の空気が恋しくなり一同外へ。
和道の周辺をブラブラと散策。暖かい太陽を体中に浴び、生気を養いました。

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散策から戻った後は朝食の準備。磯貝先生の自宅にて昨日のお料理汁を活用した暖かい麺を頂きました。ご馳走様です。

朝食後は洗い物を済ませ、磯貝先生を先導として自然栽培の畑へ向かいます。

秋に蒔いた小麦が芽を出し、10cm程度の高さに成長していました。
今回は季節的に麦踏の時期だそうで、可愛く短く伸びた小麦の穂を踏んでいきます。

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磯貝先生が以前ヨーロッパに行った時に小麦畑の土が硬いと感じたそう。
それと比べるとかなり柔らかい小麦畑に仕上がっている様子。

長年お父様の指導の基、麦踏を行っていらっしゃいますが、「踏んだところと踏まないところは違う」とのこと。
踏んだところの方が麦がしっかりと成長しているそうです。

「人は踏まれて育つべき」

印象的だったのは磯貝先生の麦踏の速度がユックリだということ。愛情を込めて踏みつけている様子が伺えました。

麦踏の後は場所を移動。途中に烏瓜があり、参加者の加藤さんより烏瓜の効能に関するお話しも。

その後、わずかですが梅林がある場所も見学。
戦前から肥料を一切使っていない土地だそうで、どのような梅になるのか楽しみです。

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和道に戻って来た後は、故・大森英桜氏の記念樹の前に集合。
マクロビオティックの普及に半世紀以上携わってこられた指導者・田中愛子氏直筆の植樹記念の看板の文字が薄れていたた
め、磯貝先生の希望で同じく指導者の加藤さんに文字をなぞって見えやすくして頂くことに。
再名生さんにも最後お手伝い頂き、記念すべき日となりました。

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和道の部屋でしばし休憩の後、香津夫さまによる「自然栽培を語る」の講話。

自然栽培は、今から80年ほど前(昭和10年)に、故・岡田茂吉氏により提唱された栽培法。
自然規範、自然順応、自然調和を3つの軸に、自然の営みを手本に栽培する方法です。
化学肥料 、農薬、植物性・動物性有機肥料を使わずに育てます。

土、種、人の三要素が浄化されて進化するのが自然栽培とのこと。

土作りでは、暖かく、柔らかく、保水性と排水性の相反する性質を兼務し向上させていくこと。

種が大事である理由は、固定種を元に自家採種を繰り返し、非自然栽培の土壌の肥毒を種の力を借りて
除去していくことだそうです。土作りが基本なのですね。

最後に人。農地の自然栽培化と採取農産物を食することで、肉体の浄化、精神の浄化をはかることができる。
人間は病気になるのと同様、作物が病気となるのも自然治癒力(浄化力)が 働いている証拠なのですね。
それを薬や化学肥料で抑えるのは自然とは反対の行いですね。

月からの水素、太陽からの火素、地球からの土素、という天体の力により育つ。それが自然栽培だそうです。

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ここで香津夫さまより質問。

「この野菜は虫も食べているから安心だという話をどう思うか?」

「殺虫剤をかけない、かつ、虫食いがないのが理想」

この理想を実現できるのが自然栽培の作物だそうです。

本年2017年より自然栽培塾(入門編)がスタートしたことで、香津夫さまが培ってこられた
自然栽培のノウハウを実践を通じて学べるようです。

講話の後は和道最後のお食事会・昼食。

磯貝先生の奥様・柚佳里さまによる家庭料理を頂けるのも最後ということで名残惜しい中、盛り沢山なお料理の品数。

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今食べている食材が和道周辺の畑で育ち、台所で調理され、食卓に上がるという贅沢さ。

自然の営みを丸ごと味わえる場所、それがマクロビオティック和道ですね。
ありがとうございました。

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